いつまでも昭和の教育で良いですか?
こんにちは!
ワクワク塾 塾長の福田歩です。
今の中学生が社会に出ていく10年後、
そして、社会で活躍していく20年後、30年後、もっと先の未来。
彼らはどんな世界を生きているでしょうか?
未来を正確に予測することは困難だとしても
一つだけ確かなことがあります。
それは、
“どんな時代、どんな環境にあっても
自分らしく、誇りを持って、
前向きに、幸せに生きていくための
素養を養ってあげることが
教育の目的である”
ということです。
私は、
「幸せに生きるための力」=「学力」
だと考えています。
本当の学力を身につけた人は
自分自身はもちろんのこと、
周りの人も幸せにするので
周りの人から愛されます。
だから幸せに生きられるのです。
受験に合格するための、
教科書や学習指導要領の範囲を
反復訓練するような教育(?)だけでは
幸せに生きるための力は育ちません。
テストの点が取れる類の「知の深化」型の教育も
知の基礎体力としてもちろん必要です。
ですが、それだけでは
幸せに生きるための学力として不十分なのです。
ところが圧倒的に多くの親御さんが塾に求めるのは
「勉強する習慣をつけてほしい」
「成績を上げてほしい」
「志望校に合格させてほしい」
なのです。
ですが、本当は
「我が子に幸せに生きていけるように成長してほしい」
と望まない親御さんはいないはずです。
本当の願いと、それを叶えるための努力の方向性がズレている
ということがあるかもしれません。
それは、私たち親の世代が育った
「昭和の常識」がいまだに根強く残っているからです。
ほとんどの塾や、学校の教育が
いまだに昭和スタイルを引きずっているので
ズレ(誤解)が生じるのも無理からぬことかもしれません。
私は、少なくとも私が関わることができた
目の前の生徒には幸せに生きてほしいので、
受験や成績のためだけの教育をするつもりはありません。
これは、親御さんからしたら
お金を払って塾に通わせている目的から
ズレているかもしれません。
そして、自我が発育途上の中学生にとって
親の考えから逸脱することは
勇気の要る、困難なことです。
ですから、
お預かりしている生徒たちが幸せに成長するために
当塾では「お子さんの未来のために必要な教育」
について親御さんと一緒に考えることを大切にしています。
学校の先生が疲れ切っていては......
親御さんとシェアした一つ目の話題(動画)は
2021年の学習指導要領の改訂で
小・中学校で必修となったプログラミング教育。
そしてこれからの社会で必須の知識となる
データサイエンス。
番組に登場した4人の専門家は
口を揃えてその重要性を説きます。
そして、そのような改訂をおこなった文科省を
高く評価しています。
また、これが最後のチャンスであり、
「成功しなければ日本に未来はない」
という専門家もいます。
では、そのような新しい教育が本当に成功するのか?
について問われると、
「希望は捨てたくはないが、成功しないだろう。」
「2、3年のうちに大人(教師)がギブアップする。」
とのことです。
最大の原因は、教育現場の先生方が
生徒が壊したタブレットの修理までやらされる等、
疲弊しきっていることです。
学校の先生の業務の多さと言ったら
そりゃもう、超ブラックです。
先生の数、教育予算を倍にしなきゃダメですよ。
いや、3倍でも5倍でも良いですよ。
そして、民間の「元気な大人」をもっと多く
教育現場に迎え入れた方が良いですよ。
教師が学校に関する一切合切を背負わされ、
スーパーマンであることを強要され、
疲弊しきっています。
これも昭和から変わらない教育システムの限界ですね!
子供の健やかな成長を願うなら、
子供に接する大人が疲れ切っていて良いわけがないじゃないですか!!
今すぐ変えましょうよ!!
(私は先日の参院選で、教員定数や教育予算増について具体的に言及しているかどうかで比例代表を選びました。)
人口減少でルールが根底から変わった!!
二つ目のトピックとして、植松努さん(植松電気社長)の講演を観ました。
・『Hope Invites_TEDxSapporo』
・『思うは招く ~子どもの自信と可能性を奪わないために~』
第一話、第二話、Q&A
植松さんのお話は、目から鱗でした!!
明治維新から平成20年までの間、
私たち日本人は急激な人口増加の時代を生きてきました。
今生きている日本人は、誰も
人口減少期の経験やノウハウが無いのです。
人口増加していた時代(昭和)、
ヒット商品があればそれを真似ることが
正しい戦略でした。
人口が増えるわけですから、
作れば作っただけモノが売れました。
ひと(他者・他社)と同じモノの大量生産こそ是でした。
この時代の正しい生き残り戦略は
「人と同じであること」
「普通であること」
「前例踏襲」
でした。
社会がそのような人材を求めるので、
そのような人を育てる教育が行われました。
つまり、学校では
「言われたことを言われた通りにこなす能力」
「言うことの聞き方」
を教えました。
国語・数学・英語・理科・社会で
教えられた範囲のテストを
教えられた通りに回答すると評価される教育って、
まさに
「言われたことを言われた通りにこなす能力」
を訓練しています。
多くの大人が持つ学習塾のイメージも
そうした能力の訓練所ではありませんか?
人口減少期に突入した令和の今、
ひと(他者・他社)の真似をして
モノを大量に作ったらどうなるか?
作れば作るほど余るんです!
誰でも真似できる商品が溢れたら、
安いものが選ばれます。
安値を競ったら体力の削り合いです。
体力のない順に倒れていくだけです。
ですから、「人と同じであること」「普通であること」「前例踏襲」は
無価値というより、害悪に近いかもしれません。
昭和の教育では、
「正解」が用意された問いが与えられ、
正しく答えを出すことが「是」でした。
間違うことや失敗することを恐れる子が育ちました。
失敗した人を許さない社会になりました。
そしてチャレンジしない社会になりました。
ですが、今では「正解」がわかっている問題の学習は、
人間よりもAIの方が遥かに速く、大量に、正確にこなせます。
“言われたことを言われた通りにこなす” タイプの仕事は、
人口(労働力)が激減するこれからの日本では
確実にAIに置き換わっていくでしょう。
つまり、昭和型教育のDead End(行き止まり)です。
これからの時代は
誰も人口減少期の正解がわかりません。
正解のない問いを創り出し、
その答えを考えることは
人間にしかできません。
現実と向き合い、
「何が問題なのか?」を自分で考え、
行動(トライアル&エラー)によって
独創的な答えを導き出せる人が求められます。
当然のことながら、一発でうまくいくわけがありません。
何度も失敗します。
成功するまで失敗し続けられる人
失敗から学べる人が活躍します。
これからの時代に必要な教育は、
失敗を「是」とする教育です。
人と違うことを「是」とする教育です。
これを「知の探索」型の教育と言います。
当塾では、子供たちに
「失敗することはかっこいい!!」
「失敗するのはチャレンジしている証拠」
と常々教えています。
挑戦して失敗した子を賞賛しています。
また、私の過去の失敗談や、失敗から学んだことも伝えています。
元研究者ですから、失敗談は枚挙にいとまがありません。
そして、普段の5教科の授業や
特に月に1回の『脳力授業』で、
新しいことに挑戦し、
失敗し、
考え、
行動し、
成功に至る(かもしれない)機会をたくさん用意しています。
少々過激かもしれませんが、本音を言います。
昭和の常識のままの教育をすれば、
社会に出た子供たちが苦労することは自明です。
もし、それをわかっていながら大人(塾産業、学校、親)が
教育のあり方を変えないのであれば、
それはある種の犯罪なのではないかと思います。
そして日本に未来は無いのだと思います。
もしも学校や塾などの変化が
社会全体として遅々として進まないのなら、
まずは私の手が届く範囲、私の声が届く範囲の人たちと一緒に、
個人のレベルで変えていくしかないと思い、
生徒本人や親御さんと対話しています。
この危機感をできるだけ多くの大人たちと
共有したくて長いブログになりました。
幸いなことに、当塾にお子さんを預けてくださる親御さんには
こうした考えに理解を示してくださる方が多いと感じています。
本当にありがたいです。