沢キャンプ [8月の脳力授業]

今年の中3クラスには天文好きの子が二人います。

「星を見に行きたい!」という生徒の一言から、

「キャンプして、焚き火して、星空を見よう!!」という計画になりました。

表テーマ
「とにかく楽しむ!!」

裏テーマ
・チームビルディング
・不便や失敗から、行動することや工夫することを学ぶ
・冒険と技術
・初めてのことにチャレンジする

など

現在お預かりしている生徒たちに限らず、
最近の中学生のほとんどは、塾の休み時間に同じクラスの子としゃべりません。
塾長には話しかけるのに、生徒同士の会話や遊び、悪ふざけがありません。

そして、アウトプット(話しかける際)の
声が小さい!!

「そんなんじゃ伝わらないよ!!」
(伝えたい気持ちあるの?)

「そんなコミュニケーション力で大丈夫なの?」
正直、不安になります。

それから、学校の勉強って、ほとんどが
与えられた情報のインプット作業に過ぎません。
そして、テストでは教えられたまんまを
忠実にアウトプットすると評価されます。
しかも、チームではなく、個人が評価される課題がほとんどです。

しかし、生きていくためには、自分の「引き出し」から
その場面に適した知識や能力を適切に選んで
使いこなす、つまり、
アウトプットする内容を適切に選び、
精度良く使いこなす能力を鍛えなければなりません。

アウトプットの精度を上げるためには
失敗の積み重ねに裏付けられた経験値が必要です。

そして、一人だけでできることは高が知れているから
社会があるのです。

自然の中に出よう!!

楽しいことや、美しいものにたくさん出会えます。

それと同時に
思い通りにならないことや、不便なこと、
予想外のことが起こります。

それを何とかしないと辛い状況は変わりません。

状況を変えたければ、行動するしかないのです。

何もしないままでいたり、選択を誤れば
更にひどい状況になるものです。

正しい技術や、正しい判断力、正しい行動力を
身につければ、自然はさらに素晴らしい体験をもたらしてくれます。

生徒たちには、自然の中で楽しみながら
生きるために必要な力を身につけてほしいと願います。

前日

個人装備と全体装備を大きなザックに詰めます。

残念ながら、一人が体調不良で不参加に。
一人当たりの荷物の分担が増えます。

ここから既に「予想外への対応」は始まっています。

これらの「全体装備」を4人で分担して運びます。
パッキング完了!
ザックに入らない荷物は手で運びます!!
スイカを任せた子は、「手が痛い!!」と。
それも良い経験です。

1日目

目的地は山梨県の西沢渓谷。

現地に着いてみると、天気予報に反して雨!!!

「どうする? 帰る?」(冗談)

計画のテント場までは、よく整備された遊歩道を40分ほど歩きます。

とりあえず歩き始め、15分後
最初の休憩地点の東屋で雨宿り。

急ぐ行程でもないので、雨が止むまで長めの休憩。

東屋の近くの橋を皆で散策すると、
橋から見下ろした川原に良さそうなテント場が!!
渓相も美しい場所です。

橋の横から川原までは急な斜面を
20mほど降下する必要がありますが、
なんとか降りられそうです。

小雨の中、当初のテント場(40分の荷物運び)を放棄し、
駐車場から15分の「軟弱テント場」に変更!!

橋の横に手で運ぶ荷物を置いて、
ザックだけを背負って慎重に川原に降りました。

登るよりも、降りる方が難しいものです。

川原で各自ハーネス(安全ベルト)を装着して、
ロープで安全確保するための訓練をします。

川原の平坦な場所で「ビレイ」という登山技術を覚えます。

次に、緩やかな斜面で「懸垂下降」という技術を訓練します。

初めてのことが「できる!」と思えると笑顔になるよね!!

次は本番。
皆で橋のところまで急斜面を登り返し、
置いてきた手荷物を、懸垂下降で川原まで下ろします。

スイカが降りていくよ〜! 先に降りた子たちは川原で遊んでます。

本流の横の小さな川を渡ったところに
ステキなテント場を見つけました!!

生徒みずから橋を建設してます。
ビーバーのダムみたい。

テント場に渡る橋を建設中!!

橋の横に冷蔵庫を設置!!

洗濯ネットに川原の石を一つ入れる。
防水した食材を放り込めば冷蔵庫のできあがり。

テントを張る前にお昼ご飯。
渓流でキッチリ冷やした素麺です。
汁には納豆、生卵、大葉、ミョウガを加えます。

このつけ汁を気に入った子のお母様から、後日
使ったつゆの素(3倍濃縮)の問い合わせがありました。
家で再現しようとしたら、「この味じゃない!」のだそうです。
野外で食べるメシは5割マシマシで美味いからねー(笑)

食後はテントの設営!!
快適な寝床ができました。

小川の向こうのテント場
奥の小テントは、アシストに来てくれた塾長の友人のもの

夕飯までは時間がたっぷりあります。

薪を拾い、かまどを作り、
川で泳いだり、
石を積む遊びをしたり、
上流や下流の探検に行ったり、
フライキャスティングの練習をしたり.....
自由な時間を過ごしました。

川原から鶏冠山を望む
水切りをして遊ぶ生徒たち。
橋からの、この高度差を懸垂下降してきたのです。
「冷たいーー!!」と言いつつも泳がずにはいられない。
一心不乱に竿を振っています。フライキャスティングは難しいよね。
9月の脳力授業はフライフィッシングを予定しています。
新しいことに挑戦しよう!!


夕飯のメニューは
カレー、タンドリーチキン、ナン、
焼きミナスチーズ、
そして中1の生徒のリクエストで
『ボローニャ風・豚肉の牛乳・ローズマリー煮込み』

それからキャンプファイヤー!!

連日の雨で乾いた薪がなくて
着火と、火の維持に苦労しました。

カレー用に野菜の皮を剥く生徒たち。
みんな包丁の使い方が怖ぇ〜よ!!(笑)

カレーを煮込んでます。
夕方から合流した塾長の友人が、焚き火マスターで助かりました!!

ナンをキャンプの焚き火で焼くのはナン易度が高いです!
ちょっと生焼け(笑)

8種類のスパイスとヨーグルトで漬け込んだ本格タンドリーチキン!!
ペーストの余りを投入したカレーも激ウマ!!

イタリア・ボローニャ地方の郷土料理
豚ブロック肉を牛乳とローズマリーで煮込む。
料理好きの生徒が塾の花壇のローズマリーを気に入って、この料理を作ると約束しました。

仕上がりはこんな感じ。
野外なのでソースを濾していないため、ローズマリーの葉が混ざっています。
2時間煮込んだ豚肉はほろほろに柔らかい!!

キャンプファイヤーに怪しげなクスリを投入したのは誰だ!?

炎色反応だね。

今回のキャンプ、お天気は雲多め。
たまに晴れ間。

雲の隙間から何とか星空観察はできたものの
ペルセウス座流星群の極大には少し早く
流れ星は見られませんでした。

22時を回り、疲れた人から順に就寝。

2日目

朝食はお米、サルティンボッカ、野菜のコンソメスープ。

(手前)ライス、(奥)サルティンボッカ

朝食後は遊びまくりました!!

まずはヘルメットじゃんけん!!

空のヘルメットと、水の入ったヘルメットをセット。
ジャンケンで勝った方が水をかけ、
負けた方は空ヘルメットで防御します。

冷静なYくん

勝っても冷てーじゃねぇかよー!!

アシスタントの齊藤くん参戦!

大人気なくキレた高1のK先輩......暴走!!

みんな濡れたところで川遊びへGo!!

ゴーグルをして流れに身を任せると
ヤマメが見られます。

かなり冷たい水なので、慣れないと息が続きません。

水切り大会をしたり、石英を採取したり、泳いだり....自由に遊んだ後

最後の遊びは流し割り!!

ジャンケンで2チームに別れます。

片方のチームは上流でスイカを流れに投入。
もう一人が川下でスイカを回収。

もう片方のチームは
目隠ししてスイカを叩く人と
指示を出す人。

目隠しして石だらけの川の中を移動するのは
危ないのではないか? ということで試行錯誤し、
指示を出す人が目隠しの人の体を支えながら移動するスタイルになりました。

おしい!! ちょっとタイミングが合わない!!

まさかのガーター!!

クリティカルヒット!!

中1のOくんがクリーンヒット!!

めでたく甘〜〜いスイカを食べることができました。

よく冷えて、とても甘いスイカに大満足。

テントを撤収し、例のロープを利用して荷上げして
午後4時に駐車場に到着。

車の中では生徒たち爆睡。

高崎のワクワク塾に着いて車から降りた瞬間
一同口を揃えて

「高崎 暑っつー!!」

元気に帰宅しました。