鮭の遡上を見に
こんにちは!
ワクワク塾 塾長の福田歩です。
11月25日は新潟県柏崎市の
『さけ豊漁まつり』が予定されていましたが、
今年は鮭の不漁のためお祭りは中止となりました。
それでも、少ないながらも鮭の遡上は見られるとのことで、
生徒とそのご家族と車2台で鮭を見に行ってきました。
高崎市内の小学校では鮭の稚魚を烏川(利根川の支流)に放流しています。
その体験があるので、生徒たちは大きく育って帰ってきた鮭を見るのを楽しみにしていました。
当日、高崎は快晴でしたが
水上の辺りから雪が舞い始め、
関越トンネルを抜けた越後湯沢のあたりは本格的な降雪でした。
日本海側と太平洋側の気象の違いを体感できました。
後で地理と気象の授業をして、生きた知識に繋げます。
毎年『さけ豊漁まつり』の会場となる
谷根川沿いの『さけのふるさと公園』に到着!
谷根川から引き込まれた魚道で
鮭の姿を見ることができました。
魚道を真横から見られる場所では、
「鮭ってこんなに大きいんだ!」
と生徒が感動していました。
同時に、「少ないね」という感想も。
小学生の妹がいる生徒によると、
今年は高崎市内の小学校の鮭の稚魚放流イベントがなくなったそうです。
不漁により稚魚が入手できないとのことです。
資料館では、鮭の生態や、谷根川で鮭の放流を始めた経緯などが展示されていました。
谷根川では毎年「鮭の回帰率」を計測しています。
回帰率(%) = 回帰した鮭の数 ÷ 4年前に放流した稚魚の数 × 100
回帰率は年によって増減がありますが、
一昨年、去年はともに0.16%でした。
それでも『さけ豊漁まつり』は開催されていました。
ということは、今年の回帰率は
0.1%を割り込むのではないかと思われます。
鮭の稚魚は海に下った後、
沿岸部で豊富な餌を食べて大きくなり、
泳ぐ体力をつけてから沖に出て、
ベーリング海を回遊して帰ってきます。
ですが近年、沿岸部の海水温が高すぎて
稚魚がまだ小さいうちに海水温の低い沖に出てしまい、
泳ぐ力が弱いので生き残れないという状況です。
どうやら、ここ数年連続している鮭の回帰率の低さは
これまで見られてきた増減のサイクルとは趣が違うようです。
近年、日本近海の海水温の上昇から、
「富山のブリ」や「山口のトラフグ」として有名だった魚が
北海道で多く水揚げされていると聞きます。
鮭の遡上を見ながら、
これからの日本の漁業、食文化、伝統、環境問題などに
想いを馳せることになりました。
ちらほらとしか遡上しない鮭、
小学校の恒例行事だった鮭の稚魚放流の中止、
子供達は何を感じ、何を考えたでしょうか?
そしてどう生きていくのでしょうか?
外は強風で、ときおり雨やみぞれが吹きつけていましたが、
谷根川の河口まで歩いて荒れた日本海を見ました。
お昼頃に『さけのふるさと公園』を後にして、
近くのフィッシャーマンズケープで昼食、
鮮魚をお土産に買って帰途に着きました。