甲子園

こんにちは!
ワクワク塾 塾長の福田歩です。

先日の国語の時間

野球部の生徒と甲子園の話になりました。

授業では今、小説の問題を扱っています。
論理的に小説の問題を解くために鍵となるのが
『情景描写』を正確に読み取ること。

『風景』ではなく『情景』です。

登場人物の心情を表現するために
描かれる風景の描写が『情景』です。

そこで、さだまさし の『甲子園』を聴きました。
https://www.youtube.com/watch?v=AlSW4oApL6w

「いい曲ですね。」と生徒。

「おぉー、この曲の良さがわかるの!?」

YouYubeをループ再生にしつつ、
デスクトップに歌詞を表示しました。

『甲子園』 作詞・作曲:さだまさし

喫茶店のTVでは夏の甲子園
準決勝の熱気が店のクーラーと戦ってる
君は男は皆野球好きねと笑い
大観衆の声援聞くだけで私は暑さがつのるわ
負けた人は現在(いま) これを観ているのかしら
それともまた来年を夢みているかしらとソーダ水
多分君は知らない「この次」なんて言葉に
期待しない男は案外多いって事をね
「ホームラン」と突然TVが叫ぶ
また誰かの夢がこわれる音がする
僕はふと君との来年を思う
故郷ゆきのチケット
二枚握りしめたままで

青春のドラマですねと解説者
文字だけのニュース速報が海辺の事故を伝えている
君は女はいつも男が演じるドラマを
手に汗握りみつめるだけなんて割に合わないわと溜息
4000幾つの参加チームの中で
たったの一度も負けないチームはひとつだけ
でも多分君は知ってる敗れて消えたチームも
負けた回数はたったの一度だけだって事をね
「あと一人」と突然TVが叫ぶ
君は僕をみつめ涙をこぼしてる
背番号14の白いユニフォームが
彼の青春の最初で
最后の打席に入ったところ

登場人物は「僕」と「君」
二人を描写している核心部は太字の部分です。

それ以外の部分は
喫茶店のテレビから流れてくる甲子園中継という
「情景描写」です。

「僕」が「君」にプロポーズしている歌だとわかります。

そして「僕」が決して恋愛に器用な男ではないことは、
「ホームラン」を
“また誰かの夢がこわれる音がする” と
捉えていることから読み取れます。

「“君は僕を見つめ涙をこぼしてる” んだけど、
プロポーズの答えはOKだったのかな?」

「答えは出ていません。」

「それは何故?」

「“背番号14の白いユニフォームが
 彼の青春の最初で
 最后の打席に入ったところ”
 で終わっているから。」

「正解!!
 聴き手に委ねられているんだよね。」

もう一曲、さだまさしさんの感動する曲
『風に立つライオン』も鑑賞しました。
https://www.youtube.com/watch?v=uYhhb0uOvsM

そしたら生徒が好きな感動する曲を紹介してくれました。
『レオ』
https://www.youtube.com/watch?v=uxYLXaXtH9I

私も鼻がぐすん。
隣から生徒がチラッと見てくる。

「犬出すのはズルいよ!」

彼はこの曲を聴くと
3歳の頃に車に轢かれて死んでしまった
白黒の猫を思い出すのだといいます。