入試過去問の分析-①【中3脳力授業】
おはようございます!
ワクワク塾 塾長の福田歩です。
日曜日、中3向けの脳力授業
『入試問題の過去問分析』を実施しました。
例年は10月に開催していますが、
生徒たちから「早くやりたい!!」とリクエストがあり
前倒しで開催しました。
今年の中3は2人ともプログラミングに興味があり、
国立群馬工業高等専門学校と
県立高校の併願を視野に入れています。
県立高校の方も、情報技術科がある高校や、
普通科でもプログラミングの大会で優勝したり
全国大会に進出している部活がある高校を目指しています。
つまり、彼らは高校でやりたい事がハッキリしているのです!!
これはとても大切なことです。
特に、これからお話しする必勝法をやり抜くためには!!
毎年中3の生徒たちに経験してもらっていることは
『自分が達成したいこと、欲しいもの』がある時に
それを確実に手に入れるための戦略的思考と実践を、
「受験」を題材に身につけてもらうことです。
分析力、戦略的思考、論理的思考、行動計画の立案、計画の遂行
といった一連の能力は試験以外のことにも役立ちます。
このノウハウの原型は、私の学生時代の経験にあります。
前提. やりたいことがある
私は東京農工大学の学部生だった頃、
牛乳アレルギーの原因となるタンパク質の研究をしていました。
農工大はとても素敵な大学でしたが、
より恵まれた研究環境で、より深く
タンパク質の研究がしたくて
東京大学の大学院を受験しました。
① 情報収集
まず最初にやったことは情報収集です。
当時はインターネットが普及しはじめた頃で、
各研究室のホームページなど整備されていませんでした。
なので、どんな研究室があるかさえ、
外部からはわかりませんでした。
東大の研究所のパンフレットを入手し、
連絡先になっていた教授にアポを取り、
自分の興味に合う研究分野の教授に
取り次いでもらいました。
目指す研究室が決まったら、
次は講義ノートの入手です。
大学院入試の過去問なんて出版されていません。
専門科目の試験内容は、
その大学で行われている講義の内容をどれだけ理解しているか
が問われるものと考えられます。
これについては、教授の鶴の一声で
研究室の学生さん(後に先輩になる方)が、
膨大な講義ノートを全てコピーしてくださいました。
② 分析と戦略
試験科目は
①英語
②化学・生物・物理から2科目
これら基礎科目は大学によって講義内容は変わらないので
地道に実力を上げていくだけです。
分析と戦略が重要なのは
③専門分野から3科目
東大の講義ノートにざっと目を通し、
自分の強みが最大限に発揮できる専門科目を3つに絞り込みます。
次に、その3科目の概要が理解できる程度に勉強し、
東大生と同等レベルの理解(つまりパーフェクト)
に到達するために必要な作業量を見積もります。
ノートの内容の背景について深掘りしたい事
(ライブの講義なら教授に質問する事)
は、その教授の論文などを調べます。
試験はほぼ全て論述なので、
背景まで深く理解しないと書けません。
つまり、
到達すべきレベルと、今の自分のレベルのギャップを知ります。
そのギャップを埋めるために
何を、いつまでに、どのレベルまで
引き上げるかをリストアップします。
それらを実行するためのスケジュールを感覚的に掴みます。
(スケジュール通りには行かないので、綿密なスケジュールを立てる時間は無駄です)
③ やり抜く
あとは、やると決めたことをやるのみです。
何を
いつまでに
どのレベルまでやるか
を決めて、やり抜くのです。
東大の大学院でも何でも、
この方法で合格できるのです。
孫子も言ってます。
「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」と。
それから、私の場合
かなり厳しい部活で体を鍛えていたので、
それが “やり抜く” 上で有利に働きました。
生徒たちに
「肉体と精神を鍛えることも大事だよ」
と伝えています。
欲しいものがないなら頑張らなくていい
この、『情報収集→分析→戦略→実行』の方法は、
私の人生の中で、試験以外にも多くの
「欲しいもの」を手に入れる為に有効でした。
しかし、この方法を
「自分が欲しいと思っていないもの」
に使うことはお薦めできません。
なぜなら、
人は欲しいもののためにしか
やり抜くことができないからです。
自分の本心に反して頑張ることを強制されると
心や身体が壊れます。
東大にも、心(性格)が壊れる頑張り方を
させられたであろう人が一定数いました。
私自身も、会社員時代
自分が興味を持てない仕事をやり抜こうとして
心と身体を壊しました。
そんな、壊れたことのある私は、
生徒を無理やり頑張らせることはできません。
当塾の『脳力授業』は選択授業なので、
本人が「手に入れたい」と思っていない子には
この過去問分析は勧めません。
「高校でやりたいことや、行きたい高校は特になくて、
直前の成績で受かりそうな高校に出願します。」
という子もいます。
本人に頑張る理由がないのなら
頑張る必要はないし、
頑張らせてはいけないのだと思います。
ですが、もし、本人に
「どうしてもやりたいことがある!」
という強い意志があるなら、
・中3の夏から偏差値を10上げないと受からない志望校に合格したり
・1年以上不登校で、担任から「絶対に無理」と言われた志望校に合格したり
といった飛躍的な伸びは
奇跡でもなんでもなく、
この必勝法の必然の結果として起こります。
そして、高校に入ってから後も
「学校が楽しい!!」と報告しに来てくれます。
ちょっとスピリチュアルっぽい言い方になりますが、
「欲しいものがある」にしても
「欲しいものがない」にしても
本人の望んでいることが実現するのだと思います。
たとえ親が望んでいても、
生徒本人が望んでいないなら、
“望まないものが手に入ってしまう” ことは
悲劇ではないでしょうか?
塾をやっていて、
一番気をつけなくてはいけない子は
“頑なに成長することを拒んでいる子” です。
あくまで仮説ですが、
(しかし、ほぼ間違いないと思うのですが)
生徒本人の望みと、親の望みが違っている
のではないかと思います。
生徒は「成長したい」と口では言うし、
頑張って塾に来るのですが、
成長するための行動は一切しないのです。
この場合、生徒の切実な声は
「ありのままの僕(わたし)を見て。受け入れて。」
なのだと思います。
親の言う通りにしている自分と、
それでも伸びない自分を同時に見せることで
「これ以上わたしを苦しめないで」
というSOSや、
「こんな僕なのは、お前のせいだ!」
という抗議をしているのかもしれません。
この場合、まずは大人が変わる必要があります。
どう変われば良いのかと言うと、
まず始めに、
親の願望や、常識、信条、世間体.....などといった
フィルターを外して、ありのままの我が子を
理解しようとして欲しいのです。
その上で、なお
「我が子にこうなって欲しい」
と思う大切な価値観があるなら、
それを親がワクワクしてやっている姿を
子供に見せてあげて欲しいのです。
“子供は親の言うことは聞かないが、
親のやっていることは真似る”
のだそうです。
誰が言ったのかは知らないけれど、真実だと思います。
もしも、親が「大切な価値観」だと思うことを
ワクワクして実行できないのだとしたら、
本当は「大切だと思っていない」のではないでしょうか?
そのウソに対して、子供は素直に
「頑なな拒絶」をするのではないでしょうか?
話を過去問分析に戻します。
「やりたいこと」があって、
それに向けて「やり抜く」という
高度な課題に挑戦できる
当塾の3年生たちは、なんて幸せなんでしょう!!
そんな生徒たちに恵まれた私も幸せです。
彼らと一緒に、必ず彼らの願いを叶えます!!